飼い猫が部屋の中に見当たらず、どこに行ったのかと探してみると、段ボールの中やカゴの中など、「なんでそんなところに入ってるのか」と思えてしまうような狭いところにすっぽり収まってぐっすりと寝ていることがありました。

以前から「猫は狭いところが好き」というのを様々な場所で見聞きしていたため、最初はさほど気にはしていませんでしたが、猫にとっての「狭いところ」は具体的にどういう意味があって、何のためにその場所を利用しているのか、ふと気になって、調べてみました。

おそらく所説あるものと思いますが、ここでは、「どうして、猫がいちいち狭い場所におさまっているのか」、その意味について調べ、自分なりの考察をしてみようと思います。

参考動画：どうしてそんなところに...　狭いところが大好きな猫たち。

猫が狭いところにおさまっている理由は多岐に渡ります。

多くが野生動物の時の習性に由来するもので、外敵から身を護ったり、狩りの際に身を隠して気配を消し、獲物を待ち構えたりするのに適した場所に身を潜めていたため、その名残で狭いところに好んでおさまるようになったのではないかと言われているそうです。

現在飼われているイエネコの原種は、リビア砂漠に生息していたリビアヤマネコと言われています。

砂漠地帯は身を隠すところも少なく、また気温差も激しい場所です。

獲物も貴重だったため、獲った獲物を横取りされるのを防止する、体温を適切に管理する、などの意味合いもあったと考えられているようです。

心理的な方面でいくと、やはり「狭いところが落ち着く」「精神的に安心する」といった効果もあるようです。

あと、これは、野良猫に関するテレビ番組を見ていた時に感じたことなのですが、子猫は母猫に守られながら、狭いところにパズルのようにまとまって暮らしていて、複数の猫が狭い中にぎゅうぎゅう詰めになりながら固まっているのは、その時の記憶が安心感となって心に刻まれているからではないか、と筆者は考えています。

猫にとって「狭い場所」や「薄暗い場所」には、野生動物として生きて来たころからの知恵の集大成とも言える何かが詰まっているのかもしれません。

少し前に「ねこ鍋」なんていう面白画像がはやった時期がありましたが、あの土鍋に収まった猫たちも、そんな理由でおさまっていたのかなあ、と思います。

猫にとって、まさしく「特別な場所」である狭い場所。

そこを覚悟してあげることで、猫にとっても「安心できる我が家」ができます。

また、しつけ方が犬とまるで違う動物である猫は、狭い場所が好きという習性を利用してあげることで、より自然に、猫にとってストレスも少なく教えてあげることが可能のようです。

たとえば、猫にとっての生命線である爪を人間が手入れしようとすると、通常であれば猫に激しく抵抗されてしまいますが、狭い場所を利用すると、比較的抵抗を受けずにスムーズにできるそうです。

また、移動用の猫のケージを「狭い場所」として提供してあげれば、普段からすんなりとそこに入ってくれるようになるため、万が一動物病院に連れていくことになった時にもスムーズになるようです。

動物を飼うには、動物の習性をよく理解し、それをうまく利用してあげるのが、飼い主に求められているものかもしれませんね。

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