猫がごはんが気に入らない時足をブルッとさせる件について。
我が家の猫、トオル君は気に入らないごはんを出されると、食前に前足をブルッと振るという習性がありました。
家に来た当初は三ヶ月の元気いっぱいの子猫でしたが、なかなかごはんを食べてくれず困っていました。
ごはんというのはトオル君を譲り受ける時に指導された、カリカリを温かい猫用ミルクでふやかした物です。
そのふやかしを見たトオル君は毎度、前足を振るという謎のジェスチャーをしてからごはんを嫌そうに食べ、たくさん残してしまうのです。
それは足の具合が悪そうにも見えるので一瞬ギョッとするのですが、ごはんの時や水に濡れた時以外はしません。
まるで人間が「気持ち悪い!」と思った時に手をブルッと振ってしまうようなあの動き、ふやかしが気持ち悪いと思っているのかなんなのか。
とにかくトオル君においしく食べていただかなくては...といろいろ悩みました。
参考動画:残したご飯に砂をかける動作をする猫
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やはりごはんが嫌なせいだった・・・
ある時私はふと「ふやかし自体がおいしくないのかもしれない。もう立派に歯も生え揃ってるからミルクと分けてもいいんじゃ…」そう考えるに至り、ミルクとカリカリを分けてトオル君に差し出すことにしました。
すると前日までとは一転、トオル君は嬉しそうにがっつき、ペロリと食べてしまうと「おいしかったよー!」とでも言うかのようにプルミャン!と鳴くのです。
特に温かいミルクを気に入ったようで、その後何度も尻尾をピンピンさせておねだりするのでした。
その日からトオル君は、もうごはんを前に前足をブルルと振ることも嫌々食べることもありません。
ごはんを気に入ってくれてすっかり安心しました。
ではあの不思議な動きは一体なんだったのか…。
どうやら調べてみたところ、足が痛くもないのに特定のシチュエーションで足をブルブルさせることが他の猫さんにもあるそうなのです。
食後の満腹のサインで足を「ブルッ」、ごはんを同じ姿勢で食べていたことが原因の足の痺れを取るため「ブルッ」、不満を表現するために「ブルッ」、様々な説がありますがいまいち理由ははっきりとしていないようです。
私はふやかしがべちゃべちゃに濡れたごはんだから「ヤダッ、濡れてる!」と反射的に振ってしまうのかな?とも考えたりします。
トオル君がごはんに満足したと同時に「ブルッ」をやめた今ではもう確かめる術はありませんが、彼の場合は愉快な気分でやったことではないのだろうと納得しています。
猫は不満をしぐさで表現できる
無意識でも意識的でも人間の一つ一つの動きには理由があります。
同じように「痛くない、病気も無いのに前足を振る」という意味の無さそうな動きにも必ず何か理由があるんだろうと考えるようになりました。
猫は思っていたよりもずっと賢く感情豊かで、照れたり嫉妬で拗ねたり、人間の言葉にちゃんと反応もするのだと猫と関わることで少しずつ学んでいます。
トオル君が元気そうだったらこちらも嬉しいです。
そのためには不満のサインを見つけたらこれまでの記憶をたどり、やり方を変えてみること。
例えば「ごはんが気に入らなそうだけどそのうち食べるだろう」と放っておくのもありかもしれないけれど、フードをわざわざ別のものに買い換えなくても食感を変える様々な方法を試してみることで、トオル君の反応はかなり違うものでした。
猫と人間は生態も習慣も違うので同じものさしで気持ちをはかることはできません。
でも「どうせ猫だから」と考えないで相手を知ろうとする姿勢が大切なのではないかと思います。
最近はありがたいことに、不満を感じた時トオル君は鳴いて教えてくれるようになりました。
猫語はまだまだわからないことだらけですが…。
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